秋学期講義概要・前半 〜今更ですみません〜
今更ですみません。秋学期の授業サマリーをマネジメントだけ書いて満足してしまってたので、追加。
◯Management of Organizations
以下ご参照
マネジメント 〜テスト終わったのでざっくりサマリー其の壱〜 - 思案投首、香港MBA生活
◯Marketing Strategy and Policy
マーケティング戦略の基本について実践的に学習する。
授業の構成は基本的に2チームに分かれたディベートとMARKSTRATと呼ばれるマーケティングシミュレーションゲーム。
【ディベート】
事前に与えられたケースについて、戦略Aをとるべきか戦略Bを取るべきかについて、2チームでディベート。
我々のチームは、中国の某化粧品ブランドは、「ライフスタイルブランド(持っている事それ自体がステータスになるようなアプローチ)」を志向するべきか、「ファンクショナルブランド(機能面を訴求するアプローチ)」を志向するべきか、というテーマで討論。我々は「ライフスタイルブランド」側に指定された。
ディベートは残念ながら惜敗したものの、ディベート相手は南アフリカの弁護士率いるチームで、法廷のような臨場感のあるディベートになり、楽しかった!笑
クラスメートからも、私も負けじと「古美門先生(※)みたいで良かった」、とお褒め?の言葉を頂いたので満足。
(※堺雅人演じる、ドラマ「リーガルハイ」の主人公で、コミカルな辣腕(悪徳?)弁護士。中国でも人気ドラマらしい)
ディベート終了後は、お約束の答え合わせ、というか実際のケースはどうなったか、ということを踏まえてマーケティング戦略におけるフレームワークなんかを用いながら教授が解説。
ちなみに教授は陽気なフィリピン人のおじさん。ちょいちょい「これは下ネタか??」というギリギリの発言がある。笑
で、他のチームが割り当てられたディベートには、「バイアグラVSシアリス! シアリスが取るべき販売戦略は??」というものも。
コミカルなキャラクターの中国人のクラスメートが、性生活についての熱弁をふるう姿は、(内容は真面目なんだけど)クラスが爆笑の渦に。笑
(ケース自体は極めて真面目な内容ですので悪しからず。笑)
【MARKSTRAT】
INSEAD考案のマーケティングシミュレーションゲーム。あくまでシミュレーションのため、現実世界と異なる部分があるのは当然ながら、よく出来たゲームだと思う。
価格、生産量、製品特性、広告費用、顧客ターゲティング、等々様々な要素を検討し、7週間に渡って各チームで売上・利益等を競った。
結果は見事1位!!!
毎週各チームが戦略の詳細を決めて、システムにアップロード。翌週の授業中にその回の結果が公表され、どのチームがどういう戦略を取った結果、どうなったか、というのが解説される、という流れ。
最後には、自分のチームが各回で取った戦略とその結果を、講義で習ったフレームワークを用いながらグループレポートして提出。
◯Managerial Microeconomics
ミクロ経済。Xin Yuという中国人教授で、生徒からの評価がとても高い。非常に良く準備された講義という印象。
競争環境(独占市場、寡占市場、過当競争市場)毎の需要供給関係の分析と価格戦略、企業の競争優位の分析等がテーマ。
学部生時代にも学んだ科目なはずなんだが、あまり真面目な学生ではなかったのであまり覚えてなかった。。。汗
ただ、当時は机上の理論ばかりの内容で現実世界とのつながりが見えず退屈に感じていた記憶があるが、この授業は面白かった。
ケーススタディーを多く用い、また生徒の質問やコールドコール(突然指名されて発言を求められる)での発言から、現実世界での事例に講義の内容がどう適用できるかが活発に議論されていた。
ゲーム理論と価格競争の末に倒産を繰り返している航空業界の考察や、DELLコンピューターの競争優位(Competitive advantage)が実額でどの程度か、といった分析はオーソドックスだけどわかりやすくてよかったかな。
◯Financial Accounting
財務会計。とってもテンションの高い(高すぎる)台湾人女性教授が息を切らしながら熱弁をふるう。最前列に座ると教授が至近距離に詰め寄ってくる為、HP(ヒットポイント)をかなり消耗する。教授が僕の筆箱をクリッカーと間違えて取り上げた時は、もう絶命するかと思った。
IFRS(国際会計基準)とUSGAAP(米国会計基準)で主に講義される。
一応銀行出身なので、理解に苦労する事はなかったけど、バックグラウンドのない人には、それなりに大変だと思う。
覚えなければならない事も多いので、座学の要素がどうしても強くなるが、それでも毎回事例を用いて粉飾事例や倒産事例の分析がちりばめられている。
銀行員時代に、沢山の粉飾事例や倒産事例を研修で学んできたけど、万国共通だね。笑
少し懐かしい気分になりました。
◯Data Analysis
統計学。大体のMBA生が通る道のようなんだが、思いっきり「数学」の講義みたいで苦労した。。。ケーススタディーはほぼなし。。。
今になって思うのは、統計の概念って非常に適用できる場面が多いということ。座学の苦手な私は非常に苦労したけど、もっと統計を好きになれたら色々と面白いことがあったのではと思う。残念。
NUS(シンガポール大)の友人曰く、彼らのData Analysis講義はより実践的で、ビジネスの現場で活用される統計の概念をより実践的に学ぶ人気講義で、数学的要素は少なかったとのこと。
個人的には、そっちの方がMBA向きだと思うなぁ、というのが率直な感想。
秋学期前半はこんな感じでした。専門用語が多くてわかりにくかったらゴメンナサイ。汗
HKUST(香港科技大学)について〜何故アジアMBAか、何故HKUSTかについて〜
ブログの存在をすっかり忘れておりました。。。学部生の頃は、mixiとか毎日のように更新してた気がするのに。。。笑
さて、お恥ずかしながら、本日の日経朝刊のアジアMBAに関する記事で、私のコメントを載せて頂きました。(照
それに関連して、限られた紙面の中では色々と伝わりにくい事もあると思うので、簡単に僕からもコメントしておきたいと思います。
◯なぜアジアMBAか
・企業の目線の先はアジア。中国・東南アジア市場でどう戦って行くかが重要なテーマになっている。
・アリババよろしく、中国・アジア企業の躍進も著しい。日系企業にとっても、彼らと如何に戦っていくか(また、協力していくか)を考えなければならない。
・外資系企業の地域統括本部(リージョナルヘッドクオーター)は、ほとんどの場合日本にはなく、香港、シンガポール、その他に所在。当然の事ながら、リージョナルCFOやCEO(外資系企業の日本ポストについた場合、彼らが直属の上司になることも多い)は中国人やシンガポール人であることが多く、また、そういった役職についている日本人というのはあまり聞かない。
・欧米MBAに比べ安価である。(トータルの費用はおよそ半分)
◯香港orシンガポール
アジアMBAを語る上で、いつも比較されるこの二つ。今回の日経の記事も同様。
どちらも善し悪しあると思うけど、ざっくりポイントを上げると、
ー香港(HKUST)の強み
・チャイナビジネスに関する知見
・金融関連科目、金融業界への就職に強み。(HKUST)
・中国語も学べる
・アジアトップ、グローバル上位(14位)MBA(HKUST)
(・お酒がやすい)
ー香港の弱み
・英語で100%生活できるわけではない。(授業は全て英語だが、タクシーの運転手とかは英語あまり話せない)
・香港のジョブマーケットでも、中国語に対する要求が非常に高まっている。「英語しか話せません」では、香港で働くのは簡単ではない。
ーシンガポールの強み
・INSEADはグローバルランキングでは別格(世界5位、一般的には欧州MBAという見方をされている)、世界的認知度も高い。10ヶ月と短期間だが学費は高い。
・生活は基本英語、英語しか話せなくてもシンガポールでの雇用機会は多い。
・より広範なアジアフォーカス
ーシンガポールの弱み
・除くINSEADで言えば、MBAのランキングは高くない。
(・お酒が異常に高い)
◯HKUSTのダイバーシティー
HKUSTのダイバーシティーは高いです。ただし、日経の記事にあった、「95%が外国籍」という部分は、間違いではないんだけど、少しトリッキーです。要は香港国籍ではない、ということなので、95%の内数には中国籍の学生も含まれます。大体30%くらいは中国・香港籍の学生。
更に言うと、アメリカやカナダで生まれ育った中華系の学生も沢山いる。「アジア系」というくくりで見ると、全体のおよそ6割くらいは「アジア系」の見た目。(アメリカで生まれ育った連中は、完全に中身は「アメリカ人」だと思うけど。)
実際のところ、「国籍」という言葉はHKUSTではあまり意味をなさないな、と思います。「あなたは何人?」と聞いても、「生まれ育ったのはアメリカだけど、お母さんは台湾出身で、お父さんは香港出身。家庭内言語は英語と中国語で、パスポートは香港とシンガポールとアメリカの三つ持ってるよ。」なんて答えが返ってくる。
まさに、我々が今後ジョブマーケットで勝負しないといけないのって、こういう人材(生まれながらにしてバイリンガル・トリリンガルで、アジアでも欧米でもすぐに適応できる人材)だろうと思う。
◯香港のジョブマーケット
非アジア圏からの留学生も約4割いるけれども、特にヨーロッパの学生は香港での就職活動にかなり真剣。ヨーロッパでの就業機会が減っていて(国にもよるけど)、もはや昔のような高給の仕事をみつけられないから、アジアに機会を求めて来ている、という人が多い。
一方で、香港は金融都市だし、給料がべらぼうに高い投資銀行やヘッジファンドで働くチャンスが簡単に見つかるか、というと、はっきり言って難しい(日本人、ということではなく、全体的な意味で)。
結局、上述の通り金融機関も含めて、目線の先は中国・アジア。就職説明会にて、「中国語(マンダリン)が話せなくてもチャンスはあるか?」と聞くと、憚りもせず「無理です。」と回答する在香港欧米系金融機関も少なくない。それくらい香港での中国語の重要度は高まっている。
また、先ほどの通り、ここには英語も中国語もネイティブな人材がゴマンといる。機会は沢山あるが、競争は激しく楽ではない。
◯中国語の習得
もちろん、プログラムは提供されます。僕はとってないので、授業の質の程はよくわかりませんが、いずれにしてもMBA課程と並行して学んで、卒業と同時に「中国語もできるようになる」と言うのは些か楽観的かと。普通にやってたら、中級日常会話レベルの習得くらいのイメージではないかと思います。(多分)
一方で、MBA自体の期間が12〜16ヶ月という事もあり、アメリカのMBAよりも短く費用も安いので、別途1年休学して北京への語学留学を決めたアメリカ人や、サマーインターンシップをやらずに語学学習に集中する、という日本人もいます。個々人の組み方次第ですね。
◯私個人のこと
ちなみに、蛇足ですが、日経の記事には
卒業後の進路は「やりたいことに合致すれば、日本時代より年収が多少下がっても働きたい。5~10年かけて留学費用を回収したい」と話す。
という風に私のコメントを載せて頂きました。
もちろん嘘じゃないんですが、実際留学前より給料が下がる人っていうのはそんなにいないと思います。私も、「やりたい事をやって、給料も前より多くもらい」たいと思ってますよ、もちろん。笑
個人的には、コンサルティングファーム、PEファーム等でより会社の意思決定に関わる仕事に携わりたいと考えています。
一方で、自分がどうするかはともかくとして、ベンチャー企業への就職とかもポストMBAのキャリアとしては魅力的な選択だと思っています。その場合、前職と同じ給料は望むべくもありませんが、ストックオプションによるアップサイドを狙える旨味があります(当然リスクもありますが)。
5〜10年かけて投資回収できれば良い、と言ったのはそういう意味で、より長期的な視点で、世の中に通用する(また、自分のやりたいことができる)スキルや知識を身につけていくことを考るべきであり、5年後10年後、あるいはもっと先の人生の効用を最大化する(給料という意味でも、やりがいという意味でも)という視点を持つべきだろうと考えています。
色々ととりとめもなく書いちゃいましたが、MBAも所詮数あるキャリアプランのうちのいち選択肢に過ぎません。大事なのは、10年20年たったあとの自分の姿を想像できているかどうかかなと。
もし今、自分の将来の姿が描けないのであれば、今後のキャリアや、今何をすべきかについて、真剣に考えを巡らせてみるべきじゃないかと思います。
マネジメント 〜テスト終わったのでざっくりサマリー其の壱〜
テスト終了→翌日シンガポールへ→そのまま上海へ→ついでに古巣の深センに立寄り→一昨日深夜帰国→昨日からもう授業。という状況です。欲張って週末も使ってしまったけど、少し休めば良かった。。。
ということで、もうフルスロットルで2ndセメスター始まってますが、このまま行くとまたブログが停滞するので、高速で1stセメスター振り返り。
1st&2ndセメスターは基本的に全て必修科目でしたが、今日は取りあえず以下の科目。
◯Management of Organizations
マネジメントの基礎口座。スティーブン・ネイソンという、陽気な名物教授のお馴染み講義。イエーイ!(教授の口癖)
・意思決定における認知バイアス
・LeadingとManaging
・ネゴシエーション
といったトピックスに関してビジネスケースやビジネスシミュレーションを用いて体系的に学習する、といった内容。
基本的には、「目からウロコ」な話ではなく、「まあ、そうだよね。」といった内容。但し、改めて、人間が如何にバイアスのかかった意思決定を下してしまうか、組織の現状によって求められるリーダーシップのスタイルはどのように変わるか、等々を改めて整理して頭に入れられた、という点で個人的には非常に得るものがあったと思っている。
特に、ハーバードの有名なケースである「エリックピーターソン」(多分他のMBAの人もやってるんじゃないかな?)では、ハーバードMBAを卒業した優秀な人物が、組織の中で様々な問題に囲まれ、最終的に会社をクビになるまでの経緯(実話)が克明に描かれていて、なかなかに面白い。
その組織がどのような問題を抱えており、そのマネジメントに如何にして失敗したか、彼は彼自身の困難な状況に如何にに対処するべきだったのか、上部のマネジメント層はどうするべきなのか、といったことが講義を通じて徐々に炙りだされていく。
そのストーリーの中には、もうダメダメな上司とかも出てきて、ついつい「そうそう、こういう人いるよね〜。困っちゃうよね〜。」とか思ってしまうんだが、ここでのキモは彼が如何にして「上司をマネジメントする」ことに失敗したか、ということだったりする。
・・・。
頭ではわかっていても、なかなか現場では上手くできないんだよね・・・。ちょっと心にチクッと刺さりました。
最後の講義で教授が言った「現実世界は当然、複雑で難解だ。マネジメントに正解はないし、この講義も正解や不正解を論ずるものではない。ただ、この講義が、皆さんが組織のマネジメントという課題に直面した時に、ふと、自分が「エリックピーターソン」になっていないか?と振り返る切欠になってくれれば幸いである。」という言葉は、正にこの講義の大きな意義を示していたのではないかなと思う。
とりあえず、今日はここまでで。笑
香港PEファンド座談会に参加〜香港ファンド事情〜
相変わらず更新頻度が上がりませんが、
「そうだ、ブログ書こう!」とか、「部屋掃除しよう!」とか思うのは、
往々にして試験の直前だったりするんですよね。。。
記事の精度はともかくとして、なるべく気づいた事思った事をマメに書いて行くようにしなければ。内容は後からついてくる!はず!
ということで、先日のエグゼクティブトークなるイベントの事を少し。
どこのMBAも同じかと思うけれども、HKUSTにも色々な学生クラブがある。
今回はその中の、Finance ClubとConsulting Club主催のExecutive Talkなるイベントで、某大手プライベートエクイティ(PE)ファンドの執行役員をお招きしての座談会。
この方は、コンサル業界からPE業界に転じた方で、どちらの経験も豊富ということで、Finance Club, Consulting Clubのジョイントイベントとして座談会を開催、スピーカーとしてお招きした経緯。
その中で、前々から気になっていた事を聞いてみた。
「香港や中国では、どのような状況にある企業がPEファンドに投資を要請するのでしょうか?日本のPEは、割とターンアラウンド(企業再生)系の案件が多いイメージがありますが、香港・中国では状況が違いますよね?」
で、回答はやはりある程度想定していた通りで、
「日本はある程度成熟しているマーケットなので、バイアウト案件(簡単に言うと、成長後期にある会社や痛んでる会社を丸ごと買って、再生したり、更に成長させたりして企業価値を高めたところで売却するケース)が多くある。」
「一方で、中国や東南アジアの案件はまだまだ成長過程にある企業が多いので、純粋に成長・上場に向けた資金需要による要請が多い。」
ふむふむ。とすると、VC(ベンチャーキャピタル。VCもPEの一種ではあるんだけど、ここは一般的に使われている通り、所謂ベンチャー企業に投資するのをVC、もうちょっと成長・成熟企業に投資するのをPEとしておく)との違いは?
「起業したばかりのスタートアップ(シード)よりは、もう少し大きい、上場直前くらいの会社をターゲットとしている。但し、特に中国においては、未上場企業投資にかなり色々なファンドが集中しているので、VCともよく競合することになる。」
ここで、他の生徒が良い質問。
ーーーそのような中国企業は、ファンドに対して「経営支援」を求めているのか、それとも単純に「金融支援」を求めているのか?
「良い質問だ。正直に言って、特に中国の成長企業は投資家の口出しを嫌う。黙ってお金だけ出して、という企業が多い。」
ーーーそうすると、単純に条件面だけでの競争になってしまうのでは?
「確かに条件面は厳しい事も多い。一方で、投資判断(目利き)の部分はファンドのノウハウや知識が集約されている部分。他社で出せない案件を、うちなら出せる、と判断する事もある。必ずしも、条件面での競争ばかりではない。」
うーむ、なるほど。
何れにしても、香港の金融業界というのは「売った買った切った張った」のイメージが強いなぁ、という印象。(金融業界は多かれ少なかれそうだと思うけど。)
ガッツリ経営陣送り込んで、膝詰めで会社経営の方向性を話し合って・・・っていう所謂「ハンズオン」スタイルのファンドっていうのは、少なくとも香港・中国エリアではあまりないのかな。
中国のVC出身の同級生曰く、「所謂ターンアラウンドとか、ディストレスト(破綻企業の再生とか)のマーケットは、中国では殆どプレーヤーがいないね。誰も手を出さない。」とのこと。
成長マーケットではそれもそうかな、という感じ。
MBAが終わったら、コンサルやPEで、会社経営により深く関わって行く仕事がしたいなーというような事を考えているので、そうすると、(少なくともPEを志望するなら)やはり日本に戻って仕事を探した方が良いのだろうか。
まあでも、アジアのVCとかで働く機会があったら、それもとても面白そうだけど。
(英語も中国語もネイティブでない日本人が、アジアのVCでどれほどのバリューがあるのかは全然わからないけど。。。)
そんなインターンの機会がないかなぁ、と目下捜索中。
金融出身ではありますが、ガチムチのコマーシャルバンカーなので、香港ファンド事情に詳しい方いたら、色々教えて下さい。
では、明日の勉強に備えて寝ます。笑
授業ボイコットになるかも。。。 ー香港の普通選挙についてー
さて、今日はちょっと趣向を変えて、香港の政治の話。
今日は、こんなポスターが大学の学生会から一斉メール送信で送られて来た。
中国語がわからなくても、垂れ幕の感じから、なーんとなくどんな内容かわかるかもしれない。
特に、私の同窓である某私立大学出身の方であれば、何となく懐かしい感覚を覚えるのではないだろうか?(私は結構ノスタルジックな気分になりました。大真面目な香港の学生には申し訳ないが。。。汗)
で、これは一体何かというと、
「罷課」、つまり授業のボイコット宣言である。
2017年に導入予定の普通選挙制度について抗議を示す為に授業をボイコットする、ということのよう。
普通選挙制度導入それ自体は良い事なんだけど、問題はその方法。
「香港って、民主政治なの?まあ、イギリス植民地時代の名残で、「それなりに民主的」な制度があるものの、中国共産党の影響力が日に日に強まっていて、段々形骸化してってるって感じかな?」
というのは、なーんとなくでもこっちの事情をわかっている人なら大方想像がつくかもしれない。まあ、大体のところはそれであっていると思う。(というか、私もそれくらいにしか理解してない。汗)
もともと香港は、財界の人なんかを中心に組織されている「選挙委員会」という組織が、香港の代表者にあたる行政長官を選出する、という形式。
財界人なんかは、主に親中派の人が多い為、いわゆる民主派の人が当選するのは事実上不可能だった、ということらしい。
これを、住民が一人一票直接投票する普通選挙に変えよう、という決定が中国共産党(厳密には全国人民代表大会(日本の国会みたいなもの)かな)によってなされた、と。
Butしかし。
そもそもこの選挙に出馬する為には、新しく組織される「指名委員会」なる組織の指名を受けないといけない。
ほんでもって、その「指名委員会」は、共産党に近い「親中派」によって大半が組織される、という事のよう。。。
結局、民主派は投票こそ出来るようになるけど、投票すべき候補者はそこにいない、ということになるわけ。
「意味ないンゴ!」
ってことで、民主派の人たちは怒り心頭。
「occupy central(セントラルを占領しろ!)」なるムーブメントにつながって、「中国共産党と、チャイナマネーに目がくらんだ財界の親中派どもめ!いい加減にしないと、金融の中心街であるセントラルを占領して、商売できなくしてやるぞ!!」
ってな事になっている。
(誇張して書いているので、多少間違ってるかも。ベテラン香港erの皆様、ご指摘お待ちしてます。笑)
で、市街地でも大規模なデモがあったり、逆に親中派のカウンターデモがあったりと、色々盛り上がっているんですが、個人的には、中国共産党の支配が強まっていくのは避けられないだろうなと思う。
一方で、冷静に考えれば、中国共産党もいきなり丸ごと全部中国スタイルに変えるようなことをするわけがない。
香港が暴れないように適度に圧力をかけたり、民意が爆発しないようにガス抜きしたりしながら、むしろ、長い時間をかけて大陸側を香港側の制度に寄せていく(若しくは香港の制度を大陸に拡大させていく)試みがされていくんではないかな、と思っている。
(先日、こちらでとある財界の大物の方の話を伺う機会があったのだが、その方も同じような趣旨の事を仰っていた。)
香港の人たちも、なんとなくその辺のことはわかってるから、結局は、過激な民主化運動が広範な支持を得る事はできないんじゃないかな、と。
香港経済に打撃を与えかねないような政治デモでは、国際的にも香港域内的にも、理解を得るのは難しいのでは。。。
閑話休題。
で、どうなの?授業ボイコットになっちゃうの??
というところですが、残念ながら(?)少なくともMBAには全然関係なさそうです。笑
まあね、こちらは高い授業料払ってるわけですからね。笑
(志に燃える学生の皆には申し訳ないけど)小生は財界人のタマゴとして、今後の長期的な香港と中国との関係を、冷静な目線で見守っていきたいと思います。
如何せん、知識不足を承知で好き放題書いてますので、是非ご批判ご指摘等ありましたら、忌憚なくお願いします。
では。
MBA合宿(Residential Program) その1 ーフィードバックについてー
・・・。
あやうく前回の更新から一ヶ月経ってしまうところでした。。。
私の拙いブログも、開始間もなくして敢え無くインターネットという大海の藻屑と消えてしまうところでした。。。笑
いや、想定はしてましたけどね、MBA大変なんですよ結構!(言い訳)
さっそくこんな感じで次から次へと課題が配られ、、、
・・・、オエッ・・・。
ってなっていたわけであります。
ということで、書こう書こうと思っていて書いてなかった、MBAのキックオフイベント、一発目の単位認定授業となるRPという合宿プログラムについて触れておく。
RPはResidential Programの略で、主に「Team work building」に主眼が置かれた(と理解している)3日間の宿泊型プログラム。
RPは、事前課題が与えられており(所謂ビジネスケーススタディー)、それを読んできた上でチームで与えられた課題に対する解決策の提案を作成しプレゼンする、というような内容が中心。
ビジネスケース自体も、Ocean Parkという香港のテーマパークが題材になっていて、プレゼンが完了した後に実際にその会社の役員が登場してスピーチをする、といった、いかにも「MBAっぽい」構成になっていて、なかなかに面白かったのだが、
私個人としては、これからのMBA生活にむけた根本的な課題を浮き彫りにしてくれたという点で、「学び」よりは「気づき」の多いプログラムだったと感じている。
なにより衝撃的だったのは、日本人は恐らく苦手としているであろう、「フィードバック」。
「君たちのプレゼンの初めの2分間は、『時間の無駄』だった。」
これが、私がMBAで初めて受取った、クラスメートからのフィードバックだ。
(ちなみに、その2分間というのは、まさに私が喋ったところ。)
プレゼンのイントロ部分のスピーチを担当していた私は、日本語でスピーチをするときのイメージで、「まあこんな感じでサラッと喋れば大丈夫だろう」くらいの気持ちで望んでいた。
日本生まれ日本育ちの日本人の中では、まあそれなりに英語も喋れる方だ、という過信もあった。
が、しかし、何の事はない。人前に出ていざスピーチしようと思うと、考えていた文章が全く出てこない。頭真っ白。
結局原稿やスライドを読み上げるだけになってしまった。
もともと、時間的制約があり無理矢理にでも時間内にプレゼン作成を完了させなければならかかったこともあり、プレゼンテーション自体も、いい感じにロジックの破綻した、見た目的にも美しくない仕上がりだった。
(私のチームは、インド人エンジニア、アメリカ育ちの香港人で、数学系のバックグラウンドを持つ大人しい目の女性、英語にハンデのある中国人と私、という四人組で、プレゼンが得意でリーダーシップを発揮できる人がおらず、グループワークは非常に苦戦した・・・。)
当然、出来には不満足ではあったものの、一先ずプレゼンも終わってホッと一息ついていたところに、後ろに座っていたグループから一枚の紙切れが。
よく、中学校の頃とかに、誰かの悪口を書いてクラスで回されてたような、あんな感じの紙切れ。笑
そこには、他のクラスメートからの、率直(直球!)で建設的なコメントが書いてあった。
「初めの2分間は時間の無駄。限られたプレゼン時間の中で、2分間という時間を原稿を読み上げるだけのイントロに使うべきではない。もっと早く本題に入って議論を深めるべき」
等々。
どの指摘に関しても、極めて的を射ていて、改めて顔から火が出そうな気分になった。。。汗汗
驚いたのは、これが特にプログラムで要求されていたものではなかったこと。そのグループが自発的に他のグループに対して行っていたものだったのだ。
あまり日本ではこういうストレートなフィードバックを受けた経験がなかったので、面食らったが、非常に良い刺激になった。
(実際、合宿中の2回目のプレゼンは、このフィードバックのおかげもあって随分と改善したものが作れたと思う。)
MBAのプログラムにおいては、こういった「お互いのフィードバック」が非常に重視されていて、チームメイトやクラスメイトに対しても、率直なフィードバック(「もっと喋れ」とか、「もっと人の話聞け」、とか)を忌憚なく行う機会が沢山ある。
もちろん、「もっともだなー」と思う事もあれば、正直「イラッ」とする事もあるんだけれども、いずれにしても自分を客観的に見つめ直す良い機会になっている。
また、英語というフィルター(若しくは言語というバリア)を通して自分を表現した時に、自分が考えている自分像と、他人が捉える自分像に隔たりが生まれる、ということもよく分かった。
(この話はもう少しちゃんと書きたかったんだけど、まとまりがなくなってしまいそうなので、またの機会に。。。(こうやってお蔵入りする記事が溜まってきそうな予感。。。))
今後、少なくとも12月までは、今回のチームでグループワークを続けていく事になる。
色々と課題の多いグループだとは思うし、「理想のチーム」とは言い難いかな、というのが本当の正直な気持ちではあるけど、一方で非常に学ぶ事の多いグループになるんじゃないかなと思う。
お互い、忌憚なく意見をぶつけ合いながら、切磋琢磨していけるよう、フィードバックに対してお互いにオープンであるべく、意識していかなければ、と思う。
p.s. 相変わらず取り止めのない文章で、今ひとつ気に入らない。。。文章書くの下手になった気がする。。。これも訓練ですかね。汗
MBA Accelerator 2 -Accounting- 会計学入門
間が空いてしまいました。
まんま三日坊主ですやん!という批判は受け付けません。
なぜなら、ちゃんと泊まり込みで三日間、8時〜23時というToughなプログラムをこなしていたという言い訳があるからです!(キリッ)
その宿泊研修の事は、頭を整理してまた書きます。
とりあえず、今回は書けていなかった掲題件について。
MBA Accelerator第二段、会計学入門編です。
ご存知の通り(?)、私腐っても元銀行員ですので、一応会計のキホンの「キ」くらいはわかります。
なので、今回の講義内容は、幸いついていけなくなる事はありませんでした。(ホッ)
だから退屈だったかというと、これが結構面白い。
Tai-Yuan教授という台湾出身の教授なのだが、兎に角会計学を愛しているお方。
学部も会計学、マスターも会計学、ドクターも会計学、奥様も会計学教授。
正に、「会計学と寝た男」。
強烈な台湾訛りの英語(でも大事なところは何度もハッキリ繰り返し喋るので、ちゃんと聞き取れます)で、
「エニーケスチョアンテルナ!?」
(Any question until now?)
と繰り返すハイテンションな教授。ジョークも豊富でウイットに富んでおり、学生は一気に虜に。
「エニーケスチョアンテルナ!?」は今年の流行語大賞確実です。
会計、というなーんとなく距離を置きたくなるような学問を、身近な例を使って極力現実世界と結びつけて解説していて、なかなかに良い講義だったと思います。
「何故会計学が重要なのか」
1つ、会社のパフォーマンスを評価する為に必要だから。
2つ、会社が投資判断を下す為に必要だから。
3つ、役員の給料を決めるのは会計上の数字だから。
例えば、チミ達が会社の経営陣だったとして、チミらの給料は会計の数字によって決まるのである!
給料は高い方がいいでしょ?急に給料が半分になったら、困るでしょ?
だからこそ、経営陣には「なんとかして少しでも会計上の数字(会社の決算)を良くしよう、という強いインセンティブが働く」のです。
では、会社の決算書を作るのは誰か。監査法人?それは違う。
会社の決算書を作る(最終的に作成の責任を負う)のは飽くまでも、会社のCEO(最高経営責任者)と、CFO(最高財務責任者)。監査法人は、それが適正に行われているかを監査するだけ。
では、監査法人は誰に雇われているのか。決算を作ってる会社ですよね?
会社の決算が適切に行われている事を監査する監査法人が、その会社から報酬をもらっている。そこに根本的な矛盾が存在しているのです。
エンロン事件の事は誰でも知っているかな?アーサーアンダーセンという大手監査法人が、エンロンという会社の巨大粉飾に対して、数年に渡って「お墨付き」を与え続けた。
その後の調査で、アーサーアンダーセンが受け取っていた監査報酬は、実に平均監査報酬の数倍にも上っていた事が発覚した。
今でこそ、監査法人を監査する機関も機能しているから、露骨な腐敗は起こりにくいけれども、会計の世界はそういった矛盾を内包しているんだね。
だからこそ、会計学は面白いのです・・・。
ってな感じのイントロから始まって、巧く学生を引き込みつつ、実際のウォルマートの決算書を眺めながら、講義が進んでいく、という感じでした。
講義の内容は今回は割愛しつつ、教授がちょいちょい差し挟んでくるミニ知識のなかから、「へぇ〜」というものを今回はピックアップしてメモしておこうと思います。
(手抜きですみません。笑)
1、アメリカの上場企業のうち、配当を支払っているのは1割だけ。
→それしか払ってないのね〜。じゃあ、日本はどうなんだろう・・・と調べてみると、ちょっと古いけど↓こんな記事を発見。
http://www.fs.ics.hit-u.ac.jp/information/media/pdf/euromoney20100805.pdf
お、日本企業、いっぱい配当払ってるじゃーん!偉いじゃーん!
と思ったのも束の間、結局のところ、産業が成熟するなかで積極的に投資する対象を見つけられず、已む無く配当という株主還元に落ち着いているという見方もできると。
Googleなんかはずっと配当払ってなかったんだね。つまりは、配当なんか払わなくても、その分ガンガン投資して、企業価値(株価)を釣り上げて、株主を儲けさせてやってるんだからいいでしょ、と。うーむ。
2、 香港での決算発表は、半年にでいい
→日本やアメリカ含む、ほとんどの国では四半期決算だよね。当然、四半期決算と半年決算でどっちが「操作(粉飾)」余地が高いか、と言えば半年決算。当然手間も少ない。
会計監査の業界団体では、10年前くらいから四半期決算への以降が議論されているようなんだけど、未だに議論されている(笑)。
90%以上の香港企業は家族経営のオーナー企業であり、李嘉誠(華人の中で世界最大の大富豪)がその筆頭。その李嘉誠などの財界連中が、四半期決算に反対するロビー活動をずっと実施している為、前に進まないんだとか。なるほどね〜。
3、IFRS(国際会計基準)とUSGAAP(米国会計基準)について
→決算書を作る時のルールである、会計基準に関して、どのルールを適用するか。
「世の中の流れは、IFRS。でも(Tai-Yuan教授の)講義ではUSGAAPも合わせて取り扱う。なぜならば、アメリカは必ず自国に都合の良いように、IFRSに対して圧力をかける。結果、最終的なIFRSは「現IFRSとUSGAAPの折衷案」のようなものになるはずだからだ。」(→なるほど!)
4、MDA (Management's discussion and analysis)
経営陣による経営の総括のようなもの。日本の決算書もそんな感じの前置きからはじまる。特にこのページが年々長くなる傾向があるらしく、業績不調な企業に関しては、言い訳しないといけない事が増えるから、ページ数が多くなる傾向があるとか。
(決算書は僕もそれなりに読んできたけど、わかる気がする。笑)
実際、このページ数をインデックスとして、投資対象を決めるヘッジファンドもあるらしい。笑
今日はここまで!笑
じぇーんじぇん体系的ではない徒然なるままの文章ですが、ご愛嬌ということで。
m(_ _)m