思案投首、香港MBA生活

元銀行員、現香港MBA学生がMBAについて、キャリアについて、私生活について等、彼此考えるブログ

MBA Accelerator 2 -Accounting- 会計学入門

間が空いてしまいました。

 

まんま三日坊主ですやん!という批判は受け付けません。

 

なぜなら、ちゃんと泊まり込みで三日間、8時〜23時というToughなプログラムをこなしていたという言い訳があるからです!(キリッ)

 

その宿泊研修の事は、頭を整理してまた書きます。

 

とりあえず、今回は書けていなかった掲題件について。

MBA Accelerator第二段、会計学入門編です。

 

ご存知の通り(?)、私腐っても元銀行員ですので、一応会計のキホンの「キ」くらいはわかります。

なので、今回の講義内容は、幸いついていけなくなる事はありませんでした。(ホッ)

 

だから退屈だったかというと、これが結構面白い。

Tai-Yuan教授という台湾出身の教授なのだが、兎に角会計学を愛しているお方。

 

学部も会計学、マスターも会計学、ドクターも会計学、奥様も会計学教授。

 

正に、「会計学と寝た男」

 

強烈な台湾訛りの英語(でも大事なところは何度もハッキリ繰り返し喋るので、ちゃんと聞き取れます)で、

 

「エニーケスチョアンテルナ!?」

(Any question until now?)

 

と繰り返すハイテンションな教授。ジョークも豊富でウイットに富んでおり、学生は一気に虜に。

「エニーケスチョアンテルナ!?」は今年の流行語大賞確実です。

 

会計、というなーんとなく距離を置きたくなるような学問を、身近な例を使って極力現実世界と結びつけて解説していて、なかなかに良い講義だったと思います。

 

 

 

「何故会計学が重要なのか」

1つ、会社のパフォーマンスを評価する為に必要だから。

2つ、会社が投資判断を下す為に必要だから。

3つ、役員の給料を決めるのは会計上の数字だから。

 

例えば、チミ達が会社の経営陣だったとして、チミらの給料は会計の数字によって決まるのである!

 

給料は高い方がいいでしょ?急に給料が半分になったら、困るでしょ?

だからこそ、経営陣には「なんとかして少しでも会計上の数字(会社の決算)を良くしよう、という強いインセンティブが働く」のです。

 

では、会社の決算書を作るのは誰か。監査法人?それは違う。

会社の決算書を作る(最終的に作成の責任を負う)のは飽くまでも、会社のCEO(最高経営責任者)と、CFO(最高財務責任者)。監査法人は、それが適正に行われているかを監査するだけ。

では、監査法人は誰に雇われているのか。決算を作ってる会社ですよね?

会社の決算が適切に行われている事を監査する監査法人が、その会社から報酬をもらっている。そこに根本的な矛盾が存在しているのです。

 

エンロン事件の事は誰でも知っているかな?アーサーアンダーセンという大手監査法人が、エンロンという会社の巨大粉飾に対して、数年に渡って「お墨付き」を与え続けた。

その後の調査で、アーサーアンダーセンが受け取っていた監査報酬は、実に平均監査報酬の数倍にも上っていた事が発覚した。

 

今でこそ、監査法人を監査する機関も機能しているから、露骨な腐敗は起こりにくいけれども、会計の世界はそういった矛盾を内包しているんだね。

だからこそ、会計学は面白いのです・・・。

 

 

 

ってな感じのイントロから始まって、巧く学生を引き込みつつ、実際のウォルマートの決算書を眺めながら、講義が進んでいく、という感じでした。

 

 講義の内容は今回は割愛しつつ、教授がちょいちょい差し挟んでくるミニ知識のなかから、「へぇ〜」というものを今回はピックアップしてメモしておこうと思います。

(手抜きですみません。笑)

 

 

1、アメリカの上場企業のうち、配当を支払っているのは1割だけ。

→それしか払ってないのね〜。じゃあ、日本はどうなんだろう・・・と調べてみると、ちょっと古いけど↓こんな記事を発見。

http://www.fs.ics.hit-u.ac.jp/information/media/pdf/euromoney20100805.pdf

お、日本企業、いっぱい配当払ってるじゃーん!偉いじゃーん!

 

と思ったのも束の間、結局のところ、産業が成熟するなかで積極的に投資する対象を見つけられず、已む無く配当という株主還元に落ち着いているという見方もできると。

 

Googleなんかはずっと配当払ってなかったんだね。つまりは、配当なんか払わなくても、その分ガンガン投資して、企業価値(株価)を釣り上げて、株主を儲けさせてやってるんだからいいでしょ、と。うーむ。

 

2、 香港での決算発表は、半年にでいい

→日本やアメリカ含む、ほとんどの国では四半期決算だよね。当然、四半期決算と半年決算でどっちが「操作(粉飾)」余地が高いか、と言えば半年決算。当然手間も少ない。

会計監査の業界団体では、10年前くらいから四半期決算への以降が議論されているようなんだけど、未だに議論されている(笑)。


90%以上の香港企業は家族経営のオーナー企業であり、李嘉誠(華人の中で世界最大の大富豪)がその筆頭。その李嘉誠などの財界連中が、四半期決算に反対するロビー活動をずっと実施している為、前に進まないんだとか。なるほどね〜。

 

3、IFRS(国際会計基準)とUSGAAP(米国会計基準)について

→決算書を作る時のルールである、会計基準に関して、どのルールを適用するか。

「世の中の流れは、IFRS。でも(Tai-Yuan教授の)講義ではUSGAAPも合わせて取り扱う。なぜならば、アメリカは必ず自国に都合の良いように、IFRSに対して圧力をかける。結果、最終的なIFRSは「現IFRSとUSGAAPの折衷案」のようなものになるはずだからだ。」(→なるほど!)

 

4、MDA (Management's discussion and analysis)

経営陣による経営の総括のようなもの。日本の決算書もそんな感じの前置きからはじまる。特にこのページが年々長くなる傾向があるらしく、業績不調な企業に関しては、言い訳しないといけない事が増えるから、ページ数が多くなる傾向があるとか。

(決算書は僕もそれなりに読んできたけど、わかる気がする。笑)

 

実際、このページ数をインデックスとして、投資対象を決めるヘッジファンドもあるらしい。笑

 

 

今日はここまで!笑

じぇーんじぇん体系的ではない徒然なるままの文章ですが、ご愛嬌ということで。

m(_ _)m