授業ボイコットになるかも。。。 ー香港の普通選挙についてー
さて、今日はちょっと趣向を変えて、香港の政治の話。
今日は、こんなポスターが大学の学生会から一斉メール送信で送られて来た。
中国語がわからなくても、垂れ幕の感じから、なーんとなくどんな内容かわかるかもしれない。
特に、私の同窓である某私立大学出身の方であれば、何となく懐かしい感覚を覚えるのではないだろうか?(私は結構ノスタルジックな気分になりました。大真面目な香港の学生には申し訳ないが。。。汗)
で、これは一体何かというと、
「罷課」、つまり授業のボイコット宣言である。
2017年に導入予定の普通選挙制度について抗議を示す為に授業をボイコットする、ということのよう。
普通選挙制度導入それ自体は良い事なんだけど、問題はその方法。
「香港って、民主政治なの?まあ、イギリス植民地時代の名残で、「それなりに民主的」な制度があるものの、中国共産党の影響力が日に日に強まっていて、段々形骸化してってるって感じかな?」
というのは、なーんとなくでもこっちの事情をわかっている人なら大方想像がつくかもしれない。まあ、大体のところはそれであっていると思う。(というか、私もそれくらいにしか理解してない。汗)
もともと香港は、財界の人なんかを中心に組織されている「選挙委員会」という組織が、香港の代表者にあたる行政長官を選出する、という形式。
財界人なんかは、主に親中派の人が多い為、いわゆる民主派の人が当選するのは事実上不可能だった、ということらしい。
これを、住民が一人一票直接投票する普通選挙に変えよう、という決定が中国共産党(厳密には全国人民代表大会(日本の国会みたいなもの)かな)によってなされた、と。
Butしかし。
そもそもこの選挙に出馬する為には、新しく組織される「指名委員会」なる組織の指名を受けないといけない。
ほんでもって、その「指名委員会」は、共産党に近い「親中派」によって大半が組織される、という事のよう。。。
結局、民主派は投票こそ出来るようになるけど、投票すべき候補者はそこにいない、ということになるわけ。
「意味ないンゴ!」
ってことで、民主派の人たちは怒り心頭。
「occupy central(セントラルを占領しろ!)」なるムーブメントにつながって、「中国共産党と、チャイナマネーに目がくらんだ財界の親中派どもめ!いい加減にしないと、金融の中心街であるセントラルを占領して、商売できなくしてやるぞ!!」
ってな事になっている。
(誇張して書いているので、多少間違ってるかも。ベテラン香港erの皆様、ご指摘お待ちしてます。笑)
で、市街地でも大規模なデモがあったり、逆に親中派のカウンターデモがあったりと、色々盛り上がっているんですが、個人的には、中国共産党の支配が強まっていくのは避けられないだろうなと思う。
一方で、冷静に考えれば、中国共産党もいきなり丸ごと全部中国スタイルに変えるようなことをするわけがない。
香港が暴れないように適度に圧力をかけたり、民意が爆発しないようにガス抜きしたりしながら、むしろ、長い時間をかけて大陸側を香港側の制度に寄せていく(若しくは香港の制度を大陸に拡大させていく)試みがされていくんではないかな、と思っている。
(先日、こちらでとある財界の大物の方の話を伺う機会があったのだが、その方も同じような趣旨の事を仰っていた。)
香港の人たちも、なんとなくその辺のことはわかってるから、結局は、過激な民主化運動が広範な支持を得る事はできないんじゃないかな、と。
香港経済に打撃を与えかねないような政治デモでは、国際的にも香港域内的にも、理解を得るのは難しいのでは。。。
閑話休題。
で、どうなの?授業ボイコットになっちゃうの??
というところですが、残念ながら(?)少なくともMBAには全然関係なさそうです。笑
まあね、こちらは高い授業料払ってるわけですからね。笑
(志に燃える学生の皆には申し訳ないけど)小生は財界人のタマゴとして、今後の長期的な香港と中国との関係を、冷静な目線で見守っていきたいと思います。
如何せん、知識不足を承知で好き放題書いてますので、是非ご批判ご指摘等ありましたら、忌憚なくお願いします。
では。